一皿を支える、見えない仕事。
料理がテーブルに運ばれるまでには、たくさんの仕込みがあります。
野菜を洗い、切り、火を入れ、冷まし、ピュレにしたり、ソースにしたり。
一見するとシンプルな作業でも、野菜はそれぞれ水分量や硬さ、香り、甘みが違います。
同じように火を入れても、同じ仕上がりにはなりません。
だからこそ、その日の野菜の状態を見ながら、火入れの時間や温度、切り方を少しずつ変えています。
8月のコースでも、とうもろこし、トマト、きゅうり、茄子など、夏ならではの野菜を使っています。
甘みをしっかり引き出したり、香りを残したり、あえて食感を楽しんでいただいたり。
一つの野菜でも、調理の仕方によって表情は大きく変わります。
完成した料理を見ていただくと、そこにあるのは一皿ですが、その一皿の裏側には、仕込みの時間といくつもの小さな判断があります。
料理を美味しくするために必要なのは、特別なことばかりではありません。
素材をよく見ること。
その日の状態を感じること。
そして、必要な仕事を丁寧に積み重ねること。
そうした一つひとつの積み重ねが、最後の一皿につながっていきます。
ご来店の際には、料理そのものだけでなく、そこに使われている野菜の香りや食感、火入れの違いなども、ぜひ楽しんでみてください。
旬の野菜が一番美味しい季節に、その魅力を一皿に。
今月も、丁寧に仕込みを重ねながらお待ちしています。
